「其は槍を前にして混沌を切り拓き、錘を振るっては秩序を揺るがす。
歌とも泣き声とも咆哮ともつかぬものをあげ、奇妙なよろこびに身を震わせるもの」


Randall Borane

天理神[azathoth]
【理にして魔、善にして悪。その狭間に揺らぐ者】

それは紀神。失われた神。もう一柱の紀元槍の神。
祖神イルミン・聖樹イルミンともいい、古代に信仰の対象とされた名残として、イルミンの柱(イルミンスール)という木彫りの彫刻が各地に残っている。


その姿は獣身無貌の神、あるいは奇怪な樹木であるとされる。
混沌として面も目もないが、胴体【幹】からは陽を遮る翼【枝】と幾本もの肢【根】が伸びる。
夢の中で詩人や芸術家の精神に触れ、奇妙な芸術的感性を与えると伝えられ、
かの天才エレヌールの手がけた槍のタングラムにもその存在が仄めかされる。


基本的に人格神である紀神の中であって、特にその異質さが目立つ。
その為か“大神院”では存在を否定、記録から抹消されたが、その姿は生命の樹、セフィロトを体現しているとされ、後世の隠秘学では重要な意味を持った。

【紀元槍】のフラクタル構造の神格化であり、その相似な写像。【パンゲオン】が分たれる過程(天地創造)を表し、無限の形相と表象を持つとされる。


】が槍に切り拓かれる以前の無秩序でありカオス、分化する以前の状態であり可能性、つまりゆらぎエネルギーそのものであり、それが【】に切り開かれ、【】を得たもの。


どんなに多くの名前と姿を取ろうとも、どれ一つその揺らぎ続ける本質を表現することは出来ない。

など


噂では、普段は【花園】あたりで前衛的なオブジェとしてぶっ刺さっているらしい。


更に噂では、我々が今まで【紀元槍】だと思っていたものも実はこの神のことらしい。


更に更に噂では、その枝には言理の実が生り、ここから【言理の妖精】が生まれるらしい。


更に更に更に噂では、竜神信仰史書の一文にて言及される『天津大御柱之命』との関連が示唆される。